約 1,059,371 件
https://w.atwiki.jp/idolversus/pages/202.html
特徴《ツンデレ》 《ツンデレ》のカードリスト漆黒の過去 -The past of black- 特徴《ツンデレ》 文字通りツンデレキャラに付与される。 《ツンデレ》のカードリスト [部分編集] 漆黒の過去 -The past of black- 【ドリーミーガール】桜井夢子
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1572.html
これまでのゆっくらいだーディケイネは! 今度の世界は濃霧の大海原の中を怪しく浮かぶ謎の豪華客船。 いつも通り世界の探索を始める紅里とまりさ、れいむであったが、 度重なる怪奇現象と共にれいむ、続いてまりさの姿が消える。 二人を捜し船の最下階に降りた紅里が出会ったのは、 もう一人のゆっくらいだー、伝子と、海上調査員を名乗るゆっくりもみじであった。 そして紅里と伝子の二人は、もみじから恐るべき真実を知らされる。 「この船は、1ヶ月前、確かに沈みました。一度確かに沈んだはずのこの船が、こうして今現在大海原に浮いている。 この船こそ、現代に現れた新たな幽霊船伝説」 「ゴーストシップ ゆイタニック号です」 果たして、ゆイタニック号が蘇った理由とは。 そして、謎のゆっくり、こいしと、謎の少女、ローラの正体は!? ゆっくらいだーディケイネ 第13話 ゆイタニック号の救済 Aパート ~Ⅵ~ 記録上では今は亡きはずの海上の沈没船、ゆイタニック号。 その船内の最下階にある、暗く、靴がずぶ濡れになる程度の浸水具合の作業員用の通路。 そこを進む三人、二人の人間の少女と一人のゆっくりの影があった。 「紅里さん、紅里さん。ちょっと宜しいかしらかしら?」 「あらあらでんこちゃん、でんこちゃん。何か御用かしらしら?」 人間二人はこの世界に流れ着いた、御存知我らのゆっくらいだー、 床次紅里と森定伝子。 「私にも、もみじちゃん抱かしてくださいましまし」 「この子が全力で拒否してるから無理無理」 そして紅里の胸に抱かれる形で運ばれているのは白い犬耳がチャームポイントのゆっくり、 ゆっくりもみじ。 足がつかるくらい水没しているこの廊下は、胴なしのゆっくりでは余りに歩きにくいし、歩くスピードも極端に遅くなる。 そんなもみじに気を使って、紅里が彼女を運んであげることを提案したのだ。 「そんなことないよねー!?もみじちゃぁあん!」 「あの‥ちゃん付けとかやめてくれませんか?正直うざったくて」 朗らかな笑顔で語りかけてくる伝子から必死で目を逸らしながら、 もみじは素っ気なく返事した。 「‥‥、伝子は精神に678のダメージ。伝子は死んでしまった」 「よし、置いていこう」「屍なら捨て置くのも已む無しですね」 「待ってよ、ちょっとは慰めなさいよ!!」 紅里と伝子は同じゆっくらいだーではあるが、そんなに仲が良い訳ではない。 協力しあうことも稀にはあるが、いつもならお互い別行動をしてそれぞれに異変の解決への糸口を探っているはずである。 そんな二人がどうしてこの世界では出会った瞬間から一緒に行動しているのか。 主な理由は三つある。 一つは、伝子は何か光源になるものを持っていないので、 紅里のペンライトを頼らなければこの暗い廊下をまともに進めないということ(合流する前のもみじ追跡は愛の奇跡)。 二つは、紅里が持っているゆっくりもみじが伝子的に凄く可愛くて目が離せないということ。 そして三つ目の理由は。 「ねぇ、伝子」 「何よ」 「ちょっと引っ付きすぎ。暑いんだけど」 紅里は今現在、片手でもみじを抱きながら、もう片手でペンライトで前方を照らして進行しているのだが、 その後方から付き従って進む形の伝子は、紅里の肩を掴み、身体をびっしりと寄せ合わせていた。 恋人同士のデートであろうとここまで密着して動き回ることはしないだろう。 「ていうか胸が当たってんのよ、自慢かコラ」 「な、な、しょうがないじゃない!この廊下暗いからこうでもしないと危ないのよ!」 伝子は顔を紅く染め必死に言い返すが、紅里の肩から伝わる彼女の身体はガクガクと小さく震えている。 身体全体を押し当てられている紅里から見れば、彼女が虚勢を張っているのは隠しようのないバレバレな事実だった。 「はっぁん、まさか―でんこちゃん恐がってる?」 分かりきっていることなのに、紅里は意地の悪い笑みで彼女のこと嘲け笑う。 「ば、馬鹿言わないで!全然恐くなんかないわよ!!全然恐くなんかないわよ!」 「へぇ、それじゃこんなことしても平気よねぇ?」 パチン、と紅里は突然ペンライトの電源を落とした。 薄い明かりで視界が保たれていた廊下が、一瞬で完全な闇に包まれる。 「ひャュゥ!!!」 声を裏返しておかしな叫びをあげた伝子は、更に必死になって紅里の身体にくっつきながら、 それでも大声で彼女に向かって文句を垂らした。 「ちょ、馬鹿、な、何やってんのよ!さっさささとライト点けなさいよ!!」 「ほぅら、やっぱでんこちゃん恐いんだぁ」 「こ、恐くなんか‥ないもん! でも‥早くライト点けてよぅ‥」 「はっははは、痩せ我慢するでんこちゃんは可愛いですねぇ」 涙目で震えている伝子を、紅里はニヤニヤしながら高らかに笑う。完全に正義の味方のやることではない。 「あの、紅里さん?」 そんな紅里に抱かれているもみじがポツリと呟く。 「私のこと持ってもらっておいてこんなこと言うのも難ですが、私のことそんなに強く掴まないでくれませんか? あと、このめっちゃ震えてる腕の振動も何とかしてください」 「‥‥‥」 紅里が無言でペンライトの電源を再び入れた。 そして暫しの沈黙。 振り向くと伝子が恨みがましいジト目で紅里のことを見つめている。 「ハハハ‥、じゃ、ふざけてないで先進みましょうか」 「待てゐ」 ガシっと、伝子が紅里の肩をしっかりとがっしりと掴みなおした。 「何よ!偉そッッうなこと言っておいて、あんたも恐いんじゃない!!」 「五月蝿いわね!しょうがないでしょ!あんたはどうだったか知らないけどね、こっちはモロ見ちゃってるのよ! 真っ赤でどろどろだったのよ!」 「何それ!?何言ってるのか全然分からない!!」 「ていうかねぇ、散々『胸無し』とか『漢らしい』とか『男の俺でも惚れそうになった』とか言われてるけどね、 私だって女の子だってのよ!こんな如何にもな幽霊船でお化け恐がって何が悪いかァァァ!!」 「なら同じ痛みを共有する私とちょっとは仲良くしなさいよ!共同戦線張りなさいよ!! 何一人で『私は別に恐くないけど』的な空気作ろうとしてんのよ!」 「痩せ我慢ですが何か!?」 「逆ギレとかマジふざけんな!マジふざけんな!」 「あ、あのぅ」 今にも取っ組み合いの喧嘩を始めそうな二人に恐る恐るもみじは声をかけた。 「そんな心配しなくても、この船に幽霊やらは出ないと思いますよ?」 「あ?」「え?」 二人が声を揃えてきょとんとした顔でもみじを見つめた。 「だから、この船に幽霊なんて絶対出ないと思いますよ」 「あー、まぁ言いたいことは分かるけどね。私は実際‥」 「だって、この船で死んだ人誰もいないですもん」 「え?」 紅里の動きが止まり、もみじを疑うような目つきで凝視した。 「そんな訳ないでしょ、 だって、この船沈んだんでしょ?」 「ええ、しかも救命ボートの数も足りないという絶望的な状況で。それでも、誰も死んでないんですよ」 「そんな―ええぇ?」 紅里は信じられないといった顔でうめくように頭を抱えた。 「それはそれは、一体どんな奇跡が起こったの?」 伝子もいまいち信じきれていない表情で頭を掻きながら聞く。 「まぁ私も有り得ない話だって今でも思っていますけどねぇ。こんなでっかい船がまるまる一隻沈んだのに犠牲者0だなんて。 でも、色々あったんですよ。偶然近場を通りかかった貨物船が沈んでるこの船を発見したり、きめぇ丸の航空便が活躍したり。 他にも聞いた話じゃ、謎のゆっくりの集団や巨大蛸が救助活動してたとか、船から陸地に続く氷の道か出来上がっていたとか、 普通なら考えられない話もたくさんありまして‥」 自分で言っておいて半信半疑であるように自身なさ気に、 それでも事実なんだからしょうがないともう半分開き直ったような態度でもみじは淡々と、この世界の事実について語る。 「そんな―本当に誰も死んでないっての? 例えば乗ったエレベーターが落下して小さい女の子が死んだとか、そんな話は全然ないの?」 「何故エレベーター? 取り敢えず、少なくともゆイタニック号に乗ったと公式な記録で確認される全ての乗客、 乗船員は生還が確認されています。そりゃもう奇跡的に。だからそんな女の子なんて居ませんよ?」 「そんな‥」 紅里は意味慎重に自分の片腕を掴んだ。 あのエレベーターで、あの少女に捕まれ、紅い手跡がついてしまった自分の腕。 それじゃ、自分が見た少女、ローラ・エアハルトは何者だというのか。 てっきり、あの物言いから沈没時にエレベーターごと落ちて死んでしまった女の子の自縛霊か何かだと思っていたのだが。 誰も死んでいないとなると、この船ではない別の船が沈んだ時にできた幽霊とか、そういうのだろうか。 それにしてはこの船、ゆイタニック号について大層詳しく説明してくれたものだが‥。 「‥、ねぇあんたさ」 紅里が首を捻って考えていると、伝子が後ろから彼女の腕を触ってきた。 突然の感触に紅里の身体がびくっと震える。 「な、何よ」 「何で腕にトマトソース付けてんの?」 伝子はそう言って、すすすと、自分の人差し指を紅里の腕の上で滑らせた。 「ひゃん」 「気持ち悪い声出さないでよ、女みたいに」 「五月蝿い、いきなり触んな。そして私は女よ」 そして伝子は自分の人差し指についたそれを紅里に対して見せ付けてきた。よく見ると、その指先はほんのり赤色に染まっている。 「ほら、トマトソース」 「あ、あの血、まだ付いてたんだ‥。ってぇえ?」 その「え?」に疑問以上の驚愕を織り交ぜ、紅里はポカンと言葉を漏らした。 「トマト‥ソース?」 「トマトソースでしょ、ほら」 そう言って伝子はその指先を今度は紅里の口に対して突っ込む。 「ちょ、なにすんのよ」 「ほら、トマトソース」 「だからって‥、れろれろ、あ、本当だ、トマト味だ」 「でしょ」 紅里は納得したようにうんうんと頷いた。 「て、あれ?」 ~Ⅶ~ ゆイタニック号最下階、英語で休憩室と書かれた部屋。 その名の通りこの階で働く作業員の休憩の為に用意されていた部屋のようで、いくつかのテーブルと椅子、テレビ、 そして奥に簡単な台所と冷蔵庫が設置されているだけの、質素な空間。 その台所の水場。 「lan♪lalalalallalan la lalalalan lala lalala lanlanlan♪」 一人の少女がそんな簡単な曲調の歌を気分良さ気に歌いながら、自分の頭を蛇口から流れ出る水をかけながらゴシゴシと洗っていた。 黒いワンピースに黒い長髪、そして一点浮いた赤い靴の少女。数刻前、紅里達にローラと名乗った謎の少女である。 「lanlanlan~♪と、ふぅ、髪にまでトマトソース塗りたくったのは失敗だったなぁ。中々落ちないんだもん」 少女はそう言ってから、蛇口の口を閉め、犬猫のようにぷるぷると頭を振って髪と顔についた水気を一気に払い、 側に掛けてあったタオルで頭をごしごしと拭く。 そして「ふわぁ」とすっきりした気概の声を漏らし、そのままタオルを首に掛けて両腕を真上にあげて身体を伸ばした。 「ふぅ、ドライヤーも付いてれば良かったのにな」 そんなことをぼやき、設置されている椅子に腰を降ろし、テーブルの上に置いてあったリモコンに手を伸ばし、テレビの電源を点ける。 そして何か面白い番組でもやっていないかと適当にチャンネルを回していると、 『あー、テステス。もしもし。ローラ、聞こえる? そこに居るんでしょ?』 突然、部屋の天井近くに設置されたコール用のスピーカーからそんな声が聞こえてきた。 「あ、“博士”? どうしたの?」 『“博士”だなんて呼ばないで、って何回も言ってるのに‥』 見知った顔なのだろう。 ローラはその突然の声に微塵も驚くことをせず、当然のようにそのスピーカーに向かって話しかけた。 『ま、今はいいわ。あなたを捜してたのよ』 「ああ、侵入者撃退大作戦の状況のこと? 順調順調!こいしさんも協力してくれてるしね!」 『こいし―が?へぇ、あの“傍観者”がねぇ』 「お陰でターゲットは後一人だけだよ。もうすぐ終わっちゃうと思うと少し寂しいけどね」 『ああ、そのことで報告があるのよ』 スピーカーの向こうの“博士”と呼ばれた声は淡々と少女に告げる。 『侵入者なんだけど、さっき突然人間一人とゆっくり一人が増えて合計三人になっちゃったわ』 「ほひぇ?」 『それで今ローラが居る階で合流してしまったみたい』 「えぇ?え、何それ?いくらなんでもそんな」 ローラはぽかんと大口を開けてスピーカーを疑うような目つきで見つめる。 『ごめんね、ちゃんとレーダーは機能してるはずなんだけどね。 一人はまた以前と同じくこの船の内部に突然、それこそ瞬間移動してきたの如く紛れ込んでて‥。 もう一人、ゆっくりの方の新しい侵入者は、多分レーダーの索敵外の海の底から侵入してきたみたい』 自分で自分を呆れるようにやれやれと“博士”は言う。 『だから、残りは三人よ。やばくなったら白旗振っても構わないから、やれる範囲で頑張ってね』 「そんなぁ~」 『それとあともう一個、ローラにとって悪い知らせがあるよ』 「え、まだあるの?」 『あんたさ、厨房から勝手にトマトソース持ち出して、血のりの代わりにしたでしょ』 「え、まぁ、えっと、その、うん」 『そのことで“先生”が御立腹だよ。船の上で食材をムゲに扱う奴に、船の上で飯を食う資格はない、だってさ。 ローラ、あんた今日の晩飯抜きだって』 「えぇえええ?」 大きなショックを受けたようで、ローラの表情がかつてないほど青く染まる。 「だって、それは、侵入者撃退の為にやむを得ず、ねぇ」 『そんな言い訳は多分あの人には通用しないよ』 「そんなぁぁ‥」 『ま、事が終わったら私も一緒に謝ってあげるから』 「うぅぅうぅうぅう‥」 ローラは半泣きで机の上に突っ伏す。晩御飯がなくなったことがよっぽどショックだったらしい。 『あ』 「今度は何ぃ?」 『今のうちに謝っとく、ごめん』 「え?」 スピーカーからの声は本当に迂闊だったというように、トーンを落としながら悪かったという態度で謝罪した。 スピーカーの向こうで両手を合わせて頭を下げているイメージが見て取れる。 『言い訳するとね、私もほら一頭身だからね、レーダーを絶えず監視しながらの通信って慣れてないのよ。えと、だから、うん』 最後にその声はきっぱり開き直ったように言う。 『幸運を祈る』 プッ、と無情にもスピーカーの電源が落ちる音が小さく部屋の中に響き、 間髪入れずにその部屋の扉は、ドォンという効果音と共に豪勢に開かれた。 「ひゃっ!」 ローラは驚いて反射的に、開かれた扉の方に振り向く。 そこに立っていたのは作務衣を着込んだ胸の薄い女性、床次紅里。 そして彼女に抱かれているゆっくりもみじと、彼女の後ろに付きそう形で立っている第三の侵入者、森定伝子。 紅里の表情は不自然な程の微笑で満ち満ちており、同時に額に非常に分かり易い怒りマークである青筋が浮かんでいる。 「‥‥‥えーと」←ローラ 「‥‥‥ニコニコ」←紅里 お互いに黙ったままの空気でローラが点けっぱなしにしていたテレビの音だけが部屋の中を空しく響く。 「えっと、お姉さん。いつからそこに?」 「『トマトソースを血のり代わりに使っていたでしょ?』あたりの会話からかな。ずっと部屋の外から聞いていたわよ」 サー、とローラの顔のただでさえ青白い顔から更に血の気が引いていく音がした。 「あー、えーと、そのー」 「あらあら、何かしら、うふふふ」 ローラは顔中から嫌な汗を噴出しながら、それでも必死に事態を打開する術を考えるように頭を少し抱え、 何かを決意したようにキリっと表情を薄暗く染め上げて、凶悪な笑顔と共に高らかに言う、 「く、クハハ、クハハアハハハ。よくぞ私の正体を見破ったね、お姉さん。人間にしては優秀みたいだね! だけど、これで恐怖が終わった訳じゃないよ。何たって私の真の正体は」 「じゃかぁしい」 が、その台詞は突然少女の前に飛んできた飛翔物、紅里が蹴飛ばした、偶然彼女の足元に存在していた一斗缶によって強制終了された。 ドゴン、という軽快で痛そうな金属音。 同時に、ローラの額に鈍く巨大な痛みが走った。 「いぃぃ、痛、だだだっだだ何これ凄く痛い」 痛みに耐え切れずローラはぐるぐるとその場に蹲って、涙目で面白いほどに回転する。 そんな少女の悲痛な様子を、紅里は底冷えするほど冷酷な瞳で見つめながら少女に対して一歩近づく。 「もう手遅れなのよ、今更演技も糞ったれもないわよ、演技が安すぎんのよ。 ていうか私を小馬鹿にしやがった借りはマジで返してもらうわよ餓鬼が」 「あの紅里さん、落ち着いて。流石に女の子に向かって一斗缶蹴り飛ばすのはちょっと」 紅里に抱かれているもみじがガタガタ震えながら紅里を何とか止めようと説得する、 が、紅里の表情は一寸も変わらず冷淡なまま、少女のことを残酷なまでの容赦なさで見つめている。 「な、な、いきなり何するのよ!?凄く痛かったよ!!ていうかそういうの人に蹴ったら危ないでしょ!?」←敵 「ああ?」←主人公 何とか痛みから立ち上がったローラが瞳に涙を蓄えながらも正論を言ってのけるが、 紅里のドスの効いた睨みにしゅくしゅくと縮こまってしまう。 「あ、ぅぅ、その、ぇぇと」 「人を、エレベーターの、長穴に引きずり込もうとしてた癖に!?何いまさら良識ぶってんだコラ」 「あ、だって、あれは、ほら。ただの演出のつもりで‥。本当に落とすつもりなんてなかったし‥」 「ていうかトマトソースで血のりってアホなの?ほかにもっとまともなモンなかったの?そんでそれにまんまと騙されてた私は何? 空前絶後の大アホ大魔王ってのか、オラ」 「ぃ、いや、そこまで言ってないし‥それ以上近寄らないで!恐い、恐いよ!!」 「取り敢えず少なくとも私の分とまりさの分、分不相応の悪戯をした餓鬼にはお仕置きが必要よねぇ? どこの身体の部位破壊が良いかしら?」 「ぇ、ちょっと、部位って。冗談でしょ? 眼が、眼が恐いよお姉さん? だって、ほら、私女の子なんだよ? だから、駄目だよ。そういうR-18Gみたいなのは? 最近凄く規制とか激しくなってると私聞いたもん。 だから駄目、駄目だから、近づかないで、それ以上近づかないでぇぇ!!」 「もう手遅れじゃこの餓鬼がぁぁぁぁ!!」 「落ち着け」 「うぐ」 ストン、と鋭く速い一撃が紅里の首筋に打ち込まれる。 それまで二人のやり取りを見ていた伝子が、流石にこれ以上はやりすぎだと思い、紅里を止めに入ったのだ。 このままでは投棄場掲載の流れになると判断したのだろう。 「た、助かったぁ」 手足を力なく垂らし、ローラは涙目のままその場に腰を落とす。 (この人にまともな感性なんて存在したんだ‥) 「何気に凄く失礼なこと思ってない?もみじちゃん」 「いたた‥、何すんのよ、伝子」 「そりゃこっちの台詞だわ、紅里。今日のあんたちょっと変よ。なんていうかブチ切れ過ぎ。何があったていうのよ?」 「あ、そっか。あんたにはまだ言ってなかったわ。いつも私と一緒にれいむとまりさ居るでしょ?」 「そりゃ居る。全然居る」 伝子が深い慈しみの表情と共に深く大きく首を縦に振った。 この人は本当にゆっくりのことを考えただけで幸せになれるタイプの人間なのだろう。 「そいつらがね。今現在行方不明。生死も不明」 「え?」 伝子の顔が分かり易いくらいに大きく曇った。 そして、紅里は真っ直ぐ床に腰を落としているローラを指差す。 「犯人はこいつ」 「あー、へー、そっかー」 伝子はローラのことを一瞥して大きく頷く。 気が付けば、彼女の表情は紅里がこの部屋に入ってきた時と同じように、安らかな微笑みで満ち満ちていた。 「そっかー。この子が、この女の子が、このお子様が、この餓鬼が、可愛いまりさとれいむを、私の可愛いれいむとまりさを、ねー」 「お前のじゃないけどな」 ローラは、今までにない、先ほどの紅里のものより大きい怒気、否、それすらを越えた殺気が部屋の中に充満していくのを肌で感じた。 「い、いや、ねぇ。違うのよ、もう一人のお姉さん?」 時間の経過と共に張り詰めていく空気に耐え切れなくなり、 ローラは腰を落としたまま懸命に自分に迫りつつあるもう一人の女性に話しかける。 だが、彼女はその声に反応することなく隣に立つ紅里の方へ視線を移し。 「さってと、紅里ちゃん紅里ちゃん」 「なぁに、伝子ちゃん、伝子ちゃん」 満面の笑みで、まるでどこぞのお嬢様高校の生徒同士がかわす優雅な挨拶のような和やかな雰囲気で、伝子は紅里に聞いた。 「刃物って何か持ってる?」 「剃刀とバリカンなら何故か持ってるわ」 「じゃ、まずはバリカンで」 「おk」 ウィンゥィンウィンウィンゥイン 紅里が何故か何故か持っているバリカンの電源が入り、部屋中に小さな、それでも耳に障る機械音が鳴り響く。 今ここに、少女ローラに迫り来る恐怖の影が、一人増えた。 「ちょ、ちょっと待ってお姉さん方。駄目だよ、そんなものこんな小さな子に向けちゃ。 それでどうする気なの、ねぇ、やめてよその気味の悪い微笑は!!本気で恐いんだけど、マジ恐いんだけど!!」 「まず何処剃るよ?」「えっと下の方で」 「下って何処!?」 「じゃ、ヤるからあんた後ろから押さえてて」「了解」 「い、嫌、離して!離してよ!嫌だぁああああ!!!誰か、助けて!助けてよ!!」 「なんまいだぶなんまいだぶ」 一方、もみじは既にこの部屋で行われようとしている猟奇的事態に付いていくことを諦め、 紅里の手を離れ、部屋のテーブルの上で静かに黙祷を捧げていた。 「ちょっと、そこのゆっくり!助けてよ!見た感じ分かるでしょ!?この部屋で今まともなのあなただけなのよ! お願いだからこの人たち止めてぇぇ!!」 「ハハ、迷わず成仏してくださいね」 「人の良さそうな顔してムゴいこと言うなぁぁ!!」 「ほら、こっち向く」 もみじの方を向いて必死の訴えを起こしていたローラの顔が紅里の手によって無理矢理正面を向かされる。 少女の眼に間には既にモーターをこれでもかと回して迫るバリカンの小さな刃と、その奥で残忍な笑みで微笑む紅里の笑顔があった。 「あ‥、あ‥、あああ」←恐怖に震える今回の敵 「フフフ、ハハハハハ。大丈夫、なるべく痛くしてやるからね」←悪を滅ぼす僕らのゆっくらいだー① 「ククク、クカカカカカ、クカカカカ」←悪を滅ぼす僕らのゆっくらいだー② 「だ、誰か助けてぇええ!!!」 その声に込められたのは恐怖、絶望、悲痛。 少女の助けを呼ぶ叫びが船に響いた時、 彼女は仲間を助ける為、唐突にその姿を現した。 「貴様らぁぁあ!!そこまでよ!!!」 「うわ」「おっと」 転瞬。 少女を取り囲んでいた二人の身体がバランスを崩しその場に倒れこんだ。 彼女達以外誰も居なかったはずの部屋の中で起こった、第三者による攻撃。 「大丈夫!?ローラ?怪我はない?」 「こ、こいしさん!!」 そう、突如この部屋に現れて、紅里と伝子の脚目掛けて短い足でスライディングして二人を転ばせたのは、 ゆっくりこいし、無意識を司る謎のゆっくりだった。 すぐさまにローラの前に出て、庇うように両手を一杯に広げ、片足を上げたポーズ、 俗に言う『荒ぶるグリコのポーズ』をとって、紅里と伝子の前に向かい立つ。 「何だ、またあんたか。良いところで割って入って」 紅里が小さく舌打ちしながら突然の乱入者に対して文句を垂らした。 「うぅぅ、滅茶苦茶恐かったよぅ」 「よしよし。もう大丈夫だからね!ローラは下がってて。 ―まったくあんたらね。年甲斐もなく囲んで年端もいかぬ少女を虐めるなんて何考えてるの!マジ引くわ!!それでも主人公か!?」 公序良俗に照らし合わせて極めて正しいこいしのこの発言に、ゆっくらいだー二人は互いに目を合わせ、 「いやー、もちろん途中でストップしようとは思ってましたよー。泣かす気は満々だったけど」←紅里、僕らのヒーロー。 「私達だってPTSD(心的外傷後ストレス障害)の一歩手前で止めるぐらいの良識は持ち合わせてるよねー」←伝子、僕らの変態。 「絶対嘘だ‥」←もみもみ 少しも悪びれもしない二人の態度にこいしは強く歯軋りし、後ろで未だに腰を落としている少女に指示を出す。 「ローラ、あなたは取り敢えず退いた方がいいよ!」 「そんな、こいしさんだけ残して行けないよ!」 「いいから行って!あなたはこんな狭い部屋じゃ、戦えないでしょ!?」 「う、うん。でも‥」 まだ逡巡するローラに、こいしは再度命令する。 「いいから、早く!言ったでしょ!私の部屋に泊まったからには幸せになってもらわなきゃ私が困るんだよ! そしてその優先順位は、この船が甦った後、一番最初に私の部屋に泊まってくれたあなたが一番なんだよ! だから、こんなところで不幸にならないで!!」 「こいしさん‥」 ローラはまだ何か言いたそうだったが、こいしの何時にない真剣な態度に心動かされ、小さく首を縦に振った。 そして腰を上げ、部屋の扉目指して走り始める。 「あ、ちょっと、待ちなさい!まだれいむとまりさの居場所を‥」 「させないよ!!」 逃げ去るローラを追おうと立ち上がった紅里の身体が今一度大きく崩れた。 ドン、と顔面を強く床に打ち付けてしまう。 「い、痛い」 「私の攻撃は常に無意識下で行われる。悪いけどあなた達にはここでずっと転び続けてもらうよ!!」 何も大きな技をかけられた訳ではない。 ただ、こいしは相手に気付かれないように足をかけて転ばせただけ。それだけのことなのだ。 「くそ!」 紅里は倒れたまま、転ばされた力が働いた場所目掛けて大きく蹴りを入れる。 だが、その攻撃はただ空を切るのみ。 さっきまで確かにそこに居たはずのこいしの姿は、何時の間にか紅里の視界から綺麗に消え去っていた。 『無駄、無駄だよ!当たるはずがないでしょ!私は常に貴方の意識の外に居る』 「ぐぬぬ、厄介な」 「ていうか端から見ると転んでばっかで馬鹿みたいよ、あんた」 そんな戦闘の様子を部屋の脇で座りながら黙って観察していた伝子がしみじみと呟いた。 「うっさいでんこ、あんたも協力しないさいよ」 紅里がもう一度立ち上がり、伝子に対して訴えかける。 「まぁ、いいけど。あんたのれいむとまりさも助けたいしね」 そう言って伝子もまた重いを腰を上げ、パンパンと手を打ってやれやれと首を傾ける。 『ふん、無駄だよ。例え二人がかりだろうと!!』 姿が見えないまま部屋の中にこいしの声が響き、紅里は警戒し周囲に眼を走らせる。 だが、彼女の視界にこいしの姿が映ることは決してない。 このままではジリ貧になる、何とかしなければ、と考えていた矢先。 「えい」 「え、あれ?」 伝子が何の予備動作もなく、まるでそれで当然のように、こいしの小さい身体を抱きかかえた。 何か仕掛けようと部屋の隅で画策し立ち尽くしていたこいしを、認識の外に居て誰にも発見されることのなかったはずのこいしを、 伝子は難なく捕まえて見せた。 伝子はさも嬉しそうにこいしに大して頬ずりをする。 「こいしちゃん、捕まえちゃ~った」 「な、何で、どうして。私はあなたの無意識の中に居たんだよ!私の姿は見えないんじゃ?」 目の前の現実がどうしても信じられないといった顔で、こいしは伝子の顔を見つめる。 こいしだけではない、紅里ももみじも、目の前にいる人間の女性の並ならぬ感性、 「何言ってるの? 私にゆっくりの姿が見えないなんて。 そんなオカルトありえません」 好きな対象なら例え砂漠の中に紛れ込んだ一粒のゴマさえ探し出せそうな執着、究極の一方的な恋慕心、 ストーカー魂の真骨頂の成せる技に、 「うわぁ、こいつ好きという感情だけで特殊能力の壁をぶち破っちゃったよ」 「この人本当に恐いんですけど。本当に恐いんですけど」 正直引いた。 「さぁ、紅里!ここは私に任せて早くあの子を追いなさい!助けるんでしょ、あんたのゆっくりを!! あぁうん、こいしちゃん可愛いよぅ。永遠に抱きかかえていたい」 「ちょ、待って、おかしいよ!私がこんな風に捕まるなんて有り得ないよ!有り得ないのにぃ!! 嫌だ恐い離して怖い、私初めてなのにこんなの耐え切れないからぁ!!私に触らないでぇ!!!」 伝子に言われるまでもなく、既に紅里ともみじは逃げるようにしてその部屋から退散していた。 かくして、ゆっくらいだー伝子は愛を以て立ちはだかるゆっくりこいしの脅威を振り払ったのだった。 「さて、もみじ。さっきみたいにローラの居る場所を追うことはできそう?」 廊下に出た紅里は、再びもみじを抱きかかえながら辺りをペンライトで照らしながら聞く。 当然と言うべきか、辺りに逃げ出した少女の姿はない。 「ええ、彼女の匂いはもう覚えましたから。これは‥、既にこの階には居ませんね」 小さい鼻を可愛らしい仕草でクンクンと動かしながら、もみじは辺りの匂いを探る。 「匂いの先は、上? 一番上の階‥?」 ~Ⅷ~ ゆイタニック号、甲板。 本来ならば海を眺める多くの観光客で賑わっているはずのその場所は、 その身をそのまま外面に晒しているためか、この船の中でも一番損傷が激しいものとなっていた。 所々に大小の傷や穴だけでなく、船のかつての一部と思われる大小の木片や鉄パイプが散在している。 その周囲には船全体を取り囲むように鈍白の濃霧が広がっており、海や空といった景色は一部もその姿を見通すことができない。 紅里はそんな廃れきった甲板に、階段から続く扉を開けて漸くたどり着いた。 「はぁ、はぁ、はぁ、ローラはここに居る、のね‥」 「紅里さん大丈夫ですか?」 「なぁに、ちょっとだけ、疲れた‥だけよ」 身体中から汗を流し、自分が開けたドアに寄りかかりながら、疲れきった顔で紅里は辺りを見渡した。 船の最下階から最上階まで一気に、わざわざ階段を上ってきたのだ。 流石のゆっくらいだーといえどその疲労の蓄積は中々のものであった。 「フフフ、来たね、お姉さん」 船の横端、船内と海が続く船外とを隔てるフェンスに寄り添うように、そこには黒衣の少女が立っていた。 「ローラ!!」 「思った‥より‥ゼェハァゼェハァ、早かった、ハァハァハァ‥じゃ、ないケホ、ケホッケホッ」 紅里以上に身体中から大量の汗を流し、頭をだらしなく垂らし膝を曲げながら、今にも倒れてしまいそうな危うさで。 「あんたも急いで階段を駆け上がっちゃったのね、私以上に」 「正直、大丈夫ですか?」 紅里と彼女に抱きかかえ上げられたもみじが心配そうに少女に言う。 「し、心配気に言うなぁぁ‥ゲホケホケホッッ、ッゼェハァ」 そんな瀕死に近い状態の少女に、紅里は深い溜息をついた後、なるべく優しい口調になるよう気をつけて言う。 「なんだったら降参してもいいのよ。こっちは取り敢えずれいむとまりささえ取り返せればそれでいいの。 他のことは水に流してあげる。これ以上女の子を苛める趣味もないしね」 「紅里さん、説得力ゼロですよ?」 「五月蝿い!!五月蝿い、五月蝿い!!」 そんな同情的な意見を切って捨てるようにローラは紅里のことを強気で睨みながら、腕を振り上げて否定する。 「さっきから何なのよ、お前は!!勝手に私達の船に入ってきて、人を脅したり苛めたり、それで今度は同情!? どれだけ人を馬鹿にすれば気が済むんだよ!!」 「別に馬鹿にはしてないけどなぁ、仕返しはさせてもらったけど」 頭をポリポリ掻きながら気だるげに紅里は答える。 「ただの人間の癖に!侵入者の癖に!! 私にあんなことして、絶対に許さないんだから!!」 激昂しながらローラはフェンスの上にその身を器用に立たせる。 そして、つま先で小さく足元のフェンスを蹴ると、 「お前なんか、海に突いて落としてクラーケンの餌にしてやる!!」 その身を何十メートルも上の大空へ、まるで鳥のように飛び立たせた。 「飛んだ!?」 もみじが驚愕しながら、眼の前で起こった有り得ない事態をそのまま口にする。 何時の間にか、ローラの両腕はその根元から黒く、そして彼女の身体の倍はありそうな大きさの翼に変身しており、 その大翼を羽ばたかせ船の上空を飛んでいた。 よく見ると少女の小さい口からは、人間の子供のものとは思えないほど鋭く長い犬歯が生えている。 その姿は、神話や紅里がよく遊ぶRPGでお馴染みの、ハーピィやセイレーンといった魔物の形そのままであった。 「なるほどね、それが黒衣の少女ローラの正体って訳ね。妖怪が幽霊の真似事してたわけか」 これで今まで起こった怪奇現象にも説明がつく。 あの深いエレベーターの奈落へ落ちた時も、あの翼があるならばどんな高さから落ちようと平気なはずだ。 思えば、紅魔の世界で出会ったあの吸血鬼なら、演出次第では今回の怪奇以上の現象は容易に起こせるだろう。 紅霧も起こせるし、蝙蝠にも変身できる。 それに比べたら何ともない異変に、相手の正体が分からないという理由だけで恐がっていた訳だ。 そう考えると、紅里は数十分前の自分が馬鹿らしくなってきた。 「悪いけど、ローラって呼んで良いのは私の仲間達だけ」 天空から紅里のことを見下すように、少女は目を細めて冷たく言い放つ。 「私の獲物でしかないお姉さんには、魔女ローレライって呼んで欲しいな」 ローレライ。 それはドイツ、ライン川流域に出没するという、歌で船を沈めてしまう恐ろしい伝説の魔女の名前。 そして、紅里は知る由もないが、 (ローレライ‥? 船が沈んだとき、あの貨物船の上で多くの目撃者が出たっていう、半鳥半人の少女のこと?) ゆイタニック号事件の中で、語り継がれている、もみじが信じ難いと思っているゆ劇の一つ。 一番最初に船を沈めた、逆に、船の乗客を救った等と、生存者の中でまことしやかに語られている存在。 (こればっかりは只のデマだと思っていたけど。まさか、本当にお眼にかかれるなんてね) 「OK、ローレライ」 ふぅんと、紅里は挑戦を受けるように髪を掻き揚げて同じように空を浮く魔女、ローレライを睨みつけながら告げる。 「そっちがその気ならしょうがない。紅里お姉さんが相手になるわ」 「相手になる程の力もない癖に、口だけは偉そうに!」 そして、少女は空に浮かびながら大きく息を吸い、 『Laa――――――――』 透き通るような、それでいて船全体を包み込むほどの声量でその声を響かせた。 すると、甲板に散在していたいくつもの木片や鉄パイプが、重力を無視してみな上空へ浮き上がっていく。 それらは高度を増していくにつれ一箇所に集まるように群れを成していき、次第にローレライの周囲へ集合していく。 『Lanlalala――――――』 そして、それらはローレライと同じ高度に浮かび上がった後、その全てが先端部分を甲板に立つ女性、紅里に向けた。 「泣いて謝るなら今のうちだよ。それでも許してあげないけどね」 「ふぅん」 紅里は空に浮かぶ大量の板切れを値踏みするように見つめながら、その腕の上に居たもみじを突然後方に放り投げた。 「ぎゃん」 地面に叩きつけられたもみじが悲鳴をあげる。 「もみじ、あなたは下がっていて、危ないから」 「普通にそれだけ言ってくださいよ!!」 そして紅里はまたローレライを鋭い瞳で見つめて言った。 「泣いて謝るなら今のうちよ。それで私は許してあげる」 「なっ!」 ローレライの表情が再び怒りで歪む。 「だから、馬鹿にしないでって言ってるでしょ!!!」 そして、その荒ぶる感情と共にローラは自身の片翼を紅里に向かって振り下ろした。 「大怪我しないと、分からない人なのかな!?」 その手の動きに合わせ、宙に浮く全ての木片と鉄パイプが、紅里に対し嵐のように降り注ぐ。 (速い、そして多いな‥) それらは雨のようなスピードで、紅里の周りの床を容赦なく打ち貫いてく。 その一撃一撃が人間にとって致命傷になり得るほどの力。 それらが群れをなして紅の周囲に何本も何本も降り注いでいく。 「あ、紅里さん!!」 後方に下がったもみじが心配そうに叫ぶ。 船の上からは既にくだけた木片と舞い上がる粉塵で薄い霧が出来あがり、それがローレライの攻撃の激しさを如実に表し、 外から紅里がどうなっているか判別不能にしている。 「ハハアハハハハッハハハハハ、ハハアハハハッハハアアハハハハ」 ローレライがさも嬉しそうに高らかに凶悪な笑い声をあげる。 「ざまぁないよね!馬鹿みたいだよね!!可哀想だね!! 私に、終わりの翼のローレライに逆らったからこうなるんだよ、お姉さん!!」 明らかに優位に立っている立場にあるからこその嘲笑。 人外である自分の力を見せ付けるように少女は大きく翼を羽ばたかせ、残り全ての木片を飛ばしていく。 そして、宙に浮く木片等の数が少なくなると、ローレライは更にその身を空高く中空に登らせ、 「あんまり可哀想だから、これで、トドメにしてあげよう!!」 最後に、その身を丸ごと降り注ぐ木片の渦の最中へ、 「究極!ローレライキィィックゥッッ!!!」 勢い良く、対象を踏みつけるように最高のスピードでその身体を振り落とした。 ローレライの身体がみるみるうちに船上へと近づいていく。 少女は、勝利を確信した。 「確かに、速い弾幕、だけど‥」 だから、その巻き起こる粉塵の中、 あれだけの激しい攻撃の中、 無傷で、何の損傷もなく、 ローレライのことを真っ直ぐ見据えている紅里を確認した瞬間、 「え‥」 「どっかの吸血鬼のより全然遅い!!」 少女の瞳は、嘗てない畏れの色で染め上がった。 鋭く大きい爆撃音、 ローレライのキックによってその場に更に多くの粉塵が巻き上がる。 だが、少女の脚に対象を蹴り飛ばした手応えはない。 (避けられた‥!?あの距離で!?) 少女は粉塵の中、紅里の姿を探しきょろきょろと辺りを見渡す。 「もうこの世界で起こった異変も、倒すべき敵の正体も分かったから、私も遠慮なく暴れられる」 ここからは、いつも通り。 力を以って、立ちはだかるボス敵を打ちのめすのみ。 「後ろ!?」 聞こえてきた声は、少女のすぐ後方から。 紅里はローレライの渾身の一撃を難なく避けた後、素早く少女の後方に移動していたのだった。 ローレライは慌ててその身を振り向かせる。 だが、その時には既に勝敗は決していた。 紅里はメダルを取り出し、ネックレスのロケットを開け、 「変身!!」 『ユックライドゥ』 『ディケイネ!!』 この世界で初めての変身を果たす。 「悪いけど、子供の遊びにこれ以上付き合っていられない」 その後は、まさに一瞬の出来事だった。 少女がその“変身”に驚くより前に、 ゆっくらいだーディケイネは恐るべき、全然ゆっくりしていないスピードで、 ローレライの身体をただ、通り過ぎた。 「変身‥終了」 そして、ネックレスをはずし人間の形態へと戻る。 嘗てない程の、短時間の変身。 だが、決着はそれだけで十分だった。 「え? あれ?」 ローレライは呆然と立ちすくみ、 「何‥それ‥」 紅里の方へ首だけ傾け、 「全然見えなか‥った‥よ」 力なく、その場に倒れ伏した。 「言ったでしょ、これ以上女の子を苛める趣味はないってね」 少女、ローレライが最後に見た紅里の顔は、 悪びれもせず、だが、彼女のことを侮蔑するような表情もせず、 心地良い笑顔で自慢げに笑っていた。 勝利を誇るように、そして、よく戦ったと敗者となった少女をも称えるように。 「何それ‥、かっこいいじゃん」 ローレライはそう呟くと、その瞳を静かに閉じて気絶した。 Bパートへ進む…
https://w.atwiki.jp/boonrpg/pages/195.html
攻 防 精 敏 備考 装備可能者 +75 炎氷耐性 ツン、クー、つー ツンデレの女王に位置する者のみ着ることが許されるドレス。 非常に繊細なつくりで、装備者の体を見事に包み込む。 不思議な守りで炎や氷からの攻撃から身を守れる。 クレクレ男爵からちいさなZIP40個と交換してもらう。 防御力はピカイチ。 ツンのコスプレ技は「かんちがいしないでよね」。 魅了になればラッキー程度。ダメージならゆっくりしていってねが上。 クーのコスプレ技は「超時空ツンデレラ」 光属性がついてることが特徴だが、モナー戦では「高速言語」のほうが便利。 元ネタ ツンデレの最上級ツンデレラから。 変化グラフィックの元ネタは特になし。 「キラッ☆」は超時空シンデレラ、ランカ・リーから。
https://w.atwiki.jp/anerowa/pages/57.html
まっくらクライクライ ――魔法使いは、どこだろう? 少女は想う。 意識を取り戻し、ゆっくりと視界が開ける。 薄靄のように広がる視界はピントの合っていないカメラだ。 少しだけ滲んだ涙を指先で拭う。ちょっと目脂が付いている。汚い。 人差し指の腹で瞼の端を軽く擦る。完全に乾いていたソレは造作もなく剥ぎ落ちた。 どれくらいの時間が経ったのだろう。 キョロキョロと見回した世界は太陽が姿を消したクライクライまっくら森。 外。木々。見えない空。 シン、と静まり返った森の中では梢が枝葉をすり合わせる音さえ聞こえない。 まるで匣の中に閉じ込められているみたいだ。 静謐にして閑静な動きを止めた空間がそこにあった。 眼を閉じて、また開けば隣では妖怪が笑っているかもしれない。 耳を塞いで、また済ませば木霊のようなオバケの叫び声が聞こえるかもしれない。 肩を抱いて、ぶるぶると震えていても魍魎が首筋を冷たい舌先で舐めるかもしれない。 スッと立ち上がり、身体を捩る。両腕を思い切りグッと上に伸ばして屈伸。乳酸の溜まった関節が嬉しい悲鳴を上げる。 処女雪のような白いロングストレートヘアーがふわり、と舞う。 風の吹かない冷え切った空気が広がっている。もう一度、キョロキョロと。 ずっと意識がなかったせいか、それなりに眼は暗闇に慣れているようだ。 それに、完全に光源がない訳でもない。 与えられたヤミはクラくて不気味だけれど、それは完全な黒じゃない。 パレットで薄めた紺に近い黒色。星や月が鏡のように光る世界がきっと近くにあるのだと思う。 「恋太郎、沙羅ちゃん」 放り込まれた境遇を自分はどう捉えればいいのだろうか。 取り乱し、涙を流すことが最善ではないのは分かる。自分が、この現実を未だに百パーセント信じられた訳ではないことだって理解は届く。 じゃあ、どうすればいい? 少女は決して勇敢な戦士などではない。 当たり前のように笑い、泣き、悲しみ、怯える何処にでもいる普通の人間だ。 そうだ、今だって胃の中身がジェットコースターに揺られてフワフワと漂っている感覚が抜けない。 怖いか怖くないか、尋ねられればそりゃあ怖い。 それに何かの使命に燃えていたりする訳ではないのだ。 だから、少女の頭に引っ掛かる問題なんて高が知れているというモノだ。 熱く燃焼する反逆の心も、遊戯を楽しむ狂人の笑みも、保身に走るべく与えられた道具を漁る余裕の無さも、少女には当て嵌まらない。 気付くと、大切な人達の顔が脳裏に浮かんでいた。 何か予感めいた衝動に引き摺られて傍に転がっていたデイパックの口を開く。 見知らぬ名前が幾つも記されている紙が一番上に無造作に置かれていた。何となく手に取り、目を通す。 【双葉恋太郎】 【白鐘沙羅】 【白鐘双樹】 そこには「三人でいる」ことを誓った大好きな二人の名前があった。 当然、少女の名も――白鐘双樹――刻まれている。 嬉しい気持ちと悲しい気持ちが少女の頭の中で鬩ぎ合っている。 一人ではないという喜び、心強さ。 そしてその感情と真っ向からぶつかり合う残酷な要求と、二人の身の安否。 「……行かなくちゃ」 ――魔法使いは、どこだろう? そんな言葉が頭を過ぎった。 出来事はあまりにも唐突で、シュールで、ソレをどのように捉えればいいのか双樹にはよく分からない。 だから己の中の非常識な体験とイマとを重ね合わせてしまう。 あの日のことを。 魔法がニコタマの町を覆い尽くした日の出来事を想起する。 何もかもが夢だとしても、 世界の中心が見つけられなかったとしても。 ……うん、大丈夫。私は平気だ。恋太郎と沙羅ちゃんさんいれば……。 でも、もしも――恋太郎と沙羅ちゃんがいなくなってしまったら? どうなるだろう。 ただ、目の前から消えるだけではなくて、ソレが永遠だとしたら――? 「行か、なくちゃ」 …………考えたくない。だけど、考えなくてはいけない。 ぼんやりとそんなことを思った。 ▽ 銀髪の男が妙に痛む身体の節々を擦りながらゆっくりと森の中を歩いていた。 「……くっ」 男の名前は国崎往人。 流浪の人形使い……と言えば聞こえはいいが、その実態は固定収入や勤め先を持たないちょっとダメな大人だ。 今はとある町でとある少女の家庭で厄介になっている。まぁこれもつまりは居候なのだが。 鋭い目付きとキッと締まった流麗な顎のライン。 ここで彼の名誉のために断っておくべきことは、往人は決して「ヒモ」などではないということだ。 言質だけを取れば、彼は町を渡り歩き少女をかどわかす女衒のような最低人間に思えてしまうかもしれない。 が、彼はどちらかと言えば「最低」よりは「最高」と呼ばれることの多いタイプであって、女性だけではなく子供からお年寄りまで幅広い層に園人間性を認められている。 (どうすればいい……?) 注意深く周囲を見回しながら、深淵なる森を移動する往人の右手には黒光りする鉄の塊が握られていた。 マカロフPb――戦後にロシアで開発された傑作自動拳銃だ。 特徴はやはり銃口に取り付ける形で使用されるサイレンサーだろう。 他のサイレンサーピストルと比べて、極めて運用しやすい形状と付属の革製のホルダーの存在も大きい。 掌からは重く、そして冷たい金属の感触が伝わって来る。 子供の頃に触ったモデルガンとは「人を殺すための武器」には大きな違いがある。 (撃てるのか、俺に) 自らの心に問い掛けてみるも、答えは見えない。 生まれて初めて持つ本物の拳銃だ。 引き金に力を込める単純な動作だけではない。 構えて相手を狙い撃つことも、安全装置を外すことも忌むべき行為の筈だ。 これは人を殺すための道具だ。 そして奪った命と同じ重みの何かを自分から削ぎ落としていく道具だ。 殺し合い……という極限状態であるとはいえ「これがアレば敵なんていない。百人力だな」なんて馬鹿げた思考へと到ることだって出来ない。 ……ましてや積極的に誰かの命を奪いに行く? 馬鹿も休み休み言え、だ。 往人はふぅ、と小さくため息を吐いた。 夜風は冷たく、まるで生き物の気配を感じないクライ森。 支給品の中に入っていたランタンを使うべきかどうか、少しだけ考える。 だが、固形燃料を使用するバーナータイプのそれは重量もそこそこはある。 加えて、こんな視界の悪い森の中では自殺行為と言えるだろう。 ここは自分の眼だけが頼りだ。一刻も早く平地に出なければ……、 「止まってください。それと……絶対にこっちを見ないで」 「な――ッ」 背中に押し付けられる「硬い金属」の感触と、鈴の鳴るような少女の声が同時に往人へと突き刺さった。 ぽっかりと空いた孔。そして、円筒。背中に押し当てられているのは明らかに――銃口だ。 (いつの間に……!?) 往人の背筋に生温い汗がじわり、と湧き出す。 振り向くことは、出来ない。本能が全力でその行動にストッパーを掛ける。 「すいません、私の質問に答えてもらえませんか」 「……質問、だと」 ザァッと音のない筈の森で梢が鳴いたような気がした。 吹き荒む風などありはしないのに。 クラくてクラくて、星の光さえ届かないような空間に背後を映す水鏡すらその存在に期待出来ない。 相手はおそらく女だ、それもかなり若い。 声が発せられる位置から判断するに身長はかなり低いだろうと予測出来る。 淀みのない淡々とした口調からは不気味さを通り越して幾分かの威圧感さえ覚えずにはいられない。 ゴクリ、と往人は息を呑んだ。首筋をツーッと汗が伝う。 いったいどんな質問が飛んで来る? もしくは何かを奪おうとしている可能性も高いだろう。 金……は関係ないか。武器か、それとも……まさか身体かっ!? いや、待て国崎往人。相手は(多分)小さな女の子だぞ……? さすがにソレはないだろう……。 「あなたは、人を殺しますか?」 「……は?」 思わず、往人の口から間抜けな呻きが漏れた。 黒のカットソー越しに突き付けられているのは間違いなく銃だ。 一方的に銃を突きつけておきながら、こちらに殺人の是非を問おうということか? ……何を、考えている? 「……今のところ、そんなつもりは更々ないな」 「そうですか」 「俺としては……そうだな。まずは背中の物騒なもんを何とかして欲しいところだな。 そう硬いモノを押し付けられちゃあ、落ち着いて話も出来ん」 「なるほど」 返って来る言葉がやけにたどたどしい。 後ろで銃を構えているのが九九を覚えたばかりの子供、という可能性はさすがに低いだろう。 まるで何かに躊躇っているような、まだ決心が付かないような――そんな印象だ。 迷っている……? 何を、迷っているんだ? 仮にも俺達は殺し合いを強要されている身だ。 そんな状況で無手の相手に銃を突きつける意味が分からない、なんてことはさすがにないだろう。 そもそも、銃の存在を甘く見てはならない。あれは魔性の武器だ。こうして手にとってみて確信した。 一般人が手を出した時に覚える感想はおそらくこの二つのどちらかだと思う。 少なくとも今の俺にはこの二つしか思いつかない。 「狂喜」と「恐怖」 玩具の道具とは違う確固たる「重さ」に威圧され、肩を震わせる可能性。 そしてもう一つが銃が発する独特な世界に飲み込まれる可能性だ。 この子は、どっちだ――? 「それじゃあ、」 小さく言葉を切る。そして、 「私は、どうだと思いますか?」 「は……!?」 あまりに素っ頓狂な台詞に思わず――往人は後ろを振り返った。 完全に迂闊な行動だったと思う。 相手が「その気」だったならば確実にトリガーは引かれ、鉛弾が彼の身体を貫いていただろう。 カラカラと金色の薬莢が落葉と湿った大地にばら撒かれていた事だろう。 色素の薄い髪がふわり、と舞った。 「な――っ!?」 往人の眼に映ったのは彼の想像通り、小さな女の子だった。 どこかの学校のモノと思しきクリーム色の制服に今時の子にしては異様なほど長い黒のロングスカート。 踝に掛かるかどうか、という一昔前のスケバンスタイルに近いものがある。 柳のように長い髪を黒無地のリボンで二つに結んでいる。 だが、何よりも印象に残るのは鮮明な輪郭――凛とした強さを携えた双眸だった。 「あ……っ」 吹かない筈の突風が薄暗い森を駆け抜ける。 少女の唇が微細な筋肉の動きを示したのと全く同じタイミングで、往人は再度身体を翻していた。 その瞳は一縷の憂いと悲しみと戸惑いに憑りつかれた人間の瞳だった。 戦慄のような感覚が往人の背筋を駆け上った。 殺られる――!? 「……見ちゃ、ダメだって言ったのに」 瞬間、少女が構えたサブマシンガンが火を吹いた。 「ぐっ……!!」 斜線軸一直線に放たれた弾丸を往人は右斜め前方へと飛び退くことで回避する。 顔を守るように両の手を重ね合わせ、来るべき地面との衝突に備える。 そして、激突。すぐさま、肘を地面に叩きつけ衝撃を殺しソレを前方へと逃がす。 生まれて初めて耳にする銃声は意外なまでに呆気ないモノだった。 腹の底に染み渡るような重く暗い音ではなかった。 火薬が弾け飛び、爆発する音は予想以上に軽い。いや、それでも十分過ぎる程の爆音ではある。 とはいえ、飛行場やパチンコ店よりはそれでも涼やかだ。 往人は知る訳もない事柄だが、少女が使用した銃――MP5SD3――の使用弾丸は9mmパラペラム弾。 最もオーソドックスな銃弾と知られる9mmパラの発射音はせいぜい九十デシベル程度だ。 加えてMP5SD3は往人に支給されたマルコフPbと同様、サイレンサーが銃身に装着されたモデルだ。 その発射音は約七十デシベル。これは街角の喧騒と同レベルで、鼓膜が破れるような爆音という訳ではない。 少女の第一射こそ回避したものの、銃口をこちらに向けられればすぐさま蜂の巣だ。 往人は身体を地面に転がし、視線を上げた。 背後の少女がどのような表情をしているのかは分からない。 だが、一度引き金を引いてしまった以上、こちらを逃がしはしないだろう。 どこかに障害物は……!? 「くそっ!!」 少し乾いた金属が弾け、ぶつかり合う音。 第二射だ。射軸は一直線ではなく、まるで相手をなぎ払うかのような掃討射撃。 背中を地面に転がして、体勢を低く。 映画のスタントマンのような動作で何とかこれも躱すことが出来た。 が、このような無理な動きはそう何度も続けることなど可能な訳もない。 地面に膝を付いている往人では素早い回避運動など不可能だ。 少女との距離はおそらく約数メートル。とはいえ、無様にも相手に背中を晒した状態だ。 このままでは反撃を試みることも出来ず、ただの的になるしか――!? 「う……ッ、あっ……」 が、発射されるべき弾丸は到来しなかった。 背後から少女の声を押し殺したような呻きが聞こえたような気がした。 何が起こったのか、一瞬そんな疑問が往人の脳裏を過ぎったがすぐさま振り払う。 ここでの無駄な行動はそのまま命を落とす結末へと繋がってしまうからだ。 国崎往人は深い海原のような優しさと、勇敢な精神を持ち合わせた高潔な男だ。 普段の彼ならば、すぐ傍でこのような苦しげな声を漏らした相手を放って置くことなど出来なかった筈だ。 だが、彼は――その選択を放棄した。 「っ……!」 両脚に力を入れグッと大地を蹴る。前のめりになりながら往人は駆け出す。 撃って来ないならば幸いだ。 フルオートでパラベラム弾をばら撒いたせいで、マガジンが空になったのかもしれない。 これは、殺し合いなのだ。 優しさで少女の心の傷を癒すことが目的なのではない。 命を奪うこと、そして命を守ること。 その二つだけが価値を持ち、それ以外の全てはゴミ屑同然の薄っぺらい存在でしか持たない。 往人は聖人などではない。彼だってただの人間だ。 全ての人間に等しき福音をもたらそうなどという思考は――彼には存在しない。 【F-3 森/1日目 深夜】 【国崎往人@AIR】 【装備:マカロフPb サイレンサー付属(8/8)@現実】 【所持品:支給品一式×1、9㎜×18マカロフ弾x32、不明支給品(0~2)】 【状態:健康】 【思考・行動】 0:少女の銃撃から逃げる。森を抜ける。 【備考】 ※参戦時期未定。 ※双樹の外見を見ただけなので彼女の名前は知りません。 【マカロフPb@現実】 ドイツのワルサーPPKに近いシルエットを持つマカロフPMはハンマー露出式の撃発機構を持つダブルアクション・ピストルである。又、この拳銃は比較的圧力の低い9㎜×18マカロフ弾を使用している。 他にもマカロフの発展型として威力を向上させ、他のヨーロッパ拳銃と互換性のある弾薬を使用したバリエーションもある。 マカロフは現在最も多く用いられているロシア製拳銃でもある。 ▽ 「あ、あはははは……」 ペタリ、と双樹は服が汚れてしまうことを気にもせずに地面にへたれ込んでしまった。 腰が抜けた……のかもしれない。 銃器を扱ったことがない訳ではないのだ。ただ、その銃口を向ける相手が問題だ。 ――『私は、どうだと思いますか?』 ああ、自分はどんな答えを期待してこんなことを言ったのだろう。 否定して欲しかったのかな。 それとも、肯定して欲しかったのかな。 ……よく、分かんないや。 『世界が終わっちゃう時にはこうやって三人で一緒になっていようね。私と、沙羅ちゃんと、恋太郎で』 怖かった。 自分は三人でいられなくなることが、本当に怖くて怖くて堪らなかったのだ。 だから森の中であの男の人を見つけた時、思わず銃を向けてしまった。 あの人が手に拳銃を持っているのを見かけたからだ。 撃たれるかと、思ったからだ。殺されるかと思ったからだ。 ずっと、ずっと、私は――三人でいたい。 一人が欠けてしまった時点で全てが終わってしまう。 私でも、沙羅ちゃんでも、恋太郎でも。 誰か一人でもいなくなったら、何もかもが崩れ落ちてしまうのだ。 一度失って、私達は三人でいることの大切さを知った。 素晴らしさを、愛しさを、幸せを知った。 特別ではないただの一日が――何よりも尊い存在であることを知った。 ――魔法使いは、いない。 掛けられた魔法はそのチカラを失ってしまったのだろうか。 双樹が引き金に指を掛けたのは、顔を見られたからだった。 沙羅と双樹は一卵性双生児だ。つまり、顔や外見がほとんど変わらない。 こちらが迂闊な行動を取ってしまえば、それがそのまま沙羅へと跳ね返ってしまう。 あの男の人に銃を向けた時から撃ってしまう可能性がある……とは思っていた。 当たり前だ。出会ったばかりの人間を頭ごなしに信用する馬鹿がどこにいるだろう。 どんなに優しい言葉を掛けられたとしても、心の奥底では臆病な自分が膝を抱えて警鐘を鳴らしてしまう筈だ。 それが自然な反応だ。人を信頼するということは、決して軽くなんてない。 命のやり取りの場ならば、尚更……。 だから、彼がこちらを見た時、私は引き金を引くしかなかった。 殺すしかないと思った。 だけど――私は、最後の一瞬であの人を殺すことを躊躇った。 それが幸福だったのか、それとも失敗だったのか……正直判断が付かない。 「沙羅……ちゃん、ぅ……っ……恋……太ぁ郎ぅ……」 涙だけがポロポロと雨の雫のようにこぼれ落ちる。 マシンガンを地面に放り出して、双樹は壊れた人形のように涙を流すことしか出来なかった。 簡単に覚悟なんて決められる訳がない。白い色と黒い色しかない訳がない。 星も、月も、暖かい大好きな人達が握り締めてくれる手の感触もない。 冷たい掌は涙に濡れて冷たく光るだけ。 光の中で見えないものが闇の中で見える訳がなかった。 ヤミ色の世界に抱かれながら、双樹は声を押し殺して震える身体を抱き締める。 シン、と静まり返った森にほのかに漂う火薬の臭いが頭を朦朧とさせる。 指先が痙攣を起こしたみたいに動き続けてしまう。 奥歯がカチカチと忙しなくかみ合わされる。口の中はカラカラだ。喉が乾いた。。 まっくら森はずっとずっとクライまま。少女の心を蝕み続ける。 【F-3 森/1日目 深夜】 【白鐘双樹@フタコイオルタナティブ 恋と少女とマシンガン】 【装備: MP5SD3(0/30)@現実】 【所持品:支給品一式×1、 MP5SD3の予備マガジンx4(9mmパラベラム弾)、S W M36 チーフスペシャル(5/5)@現実、 .38スペシャル弾x30】 【状態:健康】 健康、恐慌状態 【思考・行動】 0:恋太郎と沙羅以外の人間と会いたくない。出会った場合は……? 【備考】 ※アニメ「フタコイオルタナティブ」後日談、「フタコイオルタナティブG」終了後より参戦。 【MP5SD3@現実】 H K MP5のサイレンサー仕様モデルのサブマシンガン。使用弾薬は9mmパラベラム弾。マガジン式。 オープンボルト方式ではなく、ボルトを閉鎖した状態で発砲するクローズドボルト方式とローラーロッキングシステムを取り入れている。 そのため銃自体の振動が抑えられ、フルオートマチック(連射)時のコントロールが容易となった。 このおかげで命中精度が向上し、それまでのサブマシンガンとは一線を画す銃器となった。 【S W M36@現実】 アメリカのスミス ウェッソン社が1950年に開発した小型回転式拳銃。使用弾薬は38口径スペシャル弾。装弾数は五発。 1965年に発売された史上初のステンレス製リボルバーでもあり、発売当時は「錆びないリボルバー」として人気を集めた。 耐久力を向上させるために数々の改良を施すことで、Jフレームを持つ小型リボルバーでありながら高威力の.357マグナム弾を使用できるようになった。 しかし、強化銃身(排莢ロッドを収めるバレルシュラウドを同時装備)や可変照準器を採用したことによって、従来(通常型.38口径弾専用、照準は固定)のM36やM60とは全く違う外観となってしまった。 ある日のいつもの竹内さん <前 次> Lostthingis...-Bygonedays- ▲上へ戻る
https://w.atwiki.jp/reina_alice/
TWでツンデレを使って遊ぶ 詳細情報 NEXONが運営しているTalesWeaver http //www.talesweaver.jp/beginner/?の情報サイトです Start2008/03/10 ただの自己満足、自分で使う、他の情報サイトが使いにくいため作りました。 失礼、「使いにくい」ではなく、イスピンのテンプレの手抜きさに「怒」を覚えたので wikiなんぞ作りました。マキシミンも死んでましたね( A`)(03/16追記) 管理人のブログはこちら http //chalesnebraska.blog82.fc2.com/ TWツンデレキャラクターテンプレートサイト(2008/30/12現在) このwikiは黎奈@管理人が勝手に作ったツンデレキャラのテンプレです。 このwikiは黎奈@管理人のみ編集可能です。 このキャラを選んだ理由は俺が使っているためです。 そしてツンデレです。 工事中ローブ・服 護符/盾 手・靴・体 更新履歴(管理人手作業) 03/16連接根・鞭 03/15マキシミン育成 03/15軽鎧・重鎧 03/15テンプレ項目削除 それ以前適当 注意事項 スキルの詳細などは載せていません。 またスキル習得クエストも同様です。 外部リンクは全てURLを表示していr・・・ハズ。 必ず FAQ ペット,武器,AGI転向 マナー を読んでください。 Dataについて 基本的に俺が必要とする奴です。 イスピンは細剣・刀、ナヤは短刀、ミラは連接棍、マキシミンは刀のみ。 長剣はアシュしか必要がない。 短剣・斧は使わない。 鞭?あぁ、モナからね。 魔剣?夢見るな。 軽鎧・重鎧・その他、ローブ・服・その他(その他はそれぞれに主観で分類した物) 手・靴・体 以上の分類ですが基本的に俺が必要とする情報だけ載せています。 Infomation 2007/7/26 ver4.20でモンスターの強さ、経験値が大幅変更。 命中回避に関してはTalesweaver調査2のツールを使って調べる 過去ログを参考にしましょう(Ctrl+Fを活用すること) インターネット掲示板で質問する時は言葉遣いには気をつけましょう 時給に関しては経験値時給スレ、経験値時給スレまとめサイトを参考にしましょう 公平PTに参加する前にチームプレイを語るスレや チームwikiなどを見て各キャラの特徴を確認しておきましょう チームプレイにおいて他のキャラの特徴を知ることも大切です。 Linkを有効活用してください。 現行スレ イスピン専用スレ19 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1200662882/l50 ナヤトレイ専用スレ7 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1201014857/ 【女王様】ミラ専用スレ【ウィップ15発目】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1199276288/l50 過去ログ イスピン (したらば1) イスピン専用スレ http //jbbs.livedoor.jp/game/6066/storage/1078149153.html イスピン専用スレ Xien2 http //jbbs.livedoor.jp/game/6066/storage/1083502662.html イスピン専用スレ Xien3 http //jbbs.livedoor.jp/game/6066/storage/1087962878.html イスピン専用スレ Xien4 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1092759748/ イスピン専用スレ Xien5 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1106729970/ 【TWの花?】イスピン専用スレ【散花舞6Lv】 http //jbbs.livedoor.jp/game/6066/storage/1117446940.html 【華麗に】イスピン専用スレ【疾風突lv7】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1129378372/ 【御剣術】イスピン専用スレ【8本目】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1136286495/ 【シャルロット】イスピン専用スレ【9世】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1143997207/ (したらば2) イスピン専用スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1147436167/ 【オルランヌの】イスピン専用スレ【加護10%UP】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1162058807/ 【炎蜥蜴に11回】イスピン専用スレ【ステップイン】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1169089715/ 【疾風連打】イスピン専用スレ【計12発】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1173421128/l50 【長所は】イスピン専用スレ13【ルックス】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1178462850/l50 イスピン専用スレ14 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1182351393/l50 イスピン専用スレ15 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1186502237/l50 イスピン専用スレ16 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1188455645/l50 イスピン専用スレ17 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1193286112/l50 イスピン専用スレ18 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1196963332/l50 ナヤトレイ (したらば1) ナヤトレイ専用スレXien11:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1146216851/ ナヤトレイ専用スレXien10 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1138610192/ ナヤトレイ専用スレXien9:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/indexer.cgi/game/6066/1132061208 ナヤトレイ専用スレXien8:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1122537686/ ナヤトレイ専用スレXien7:http //jbbs.livedoor.jp/game/6066/storage/1104116277.html ナヤトレイ専用スレXien6:http //jbbs.livedoor.jp/game/6066/storage/1093832048.html ナヤトレイ専用スレXien5:http //jbbs.livedoor.jp/game/6066/storage/1089202077.html ナヤトレイ専用スレXien4:http //jbbs.shitaraba.com/game/6066/storage/1085630565.html ナヤトレイ専用スレXien3:http //jbbs.shitaraba.com/game/6066/storage/1082676362.html ナヤトレイ専用スレXien2:http //jbbs.shitaraba.com/game/6066/storage/1080644049.html ナヤトレイ専用スレXien1:http //jbbs.shitaraba.com/game/6066/storage/1078058958.html (したらば2) ナヤトレイ専用スレ6:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1194627571/ ナヤトレイ専用スレ5:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1188499907/l50 ナヤトレイ専用スレ4:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1182138596/l50 ナヤトレイ専用スレ3:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1173803610/l50 ナヤトレイ専用スレ2:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1165651722/ ナヤトレイ専用スレ :http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1147436056/ ミラ (したらば1) ミラ専用スレhttp //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1078340496/ ミラ専用スレ Xien2 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1085725627/ ミラ専用スレ xien3 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1091596244/ ミラ専用スレ xien4 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1099476493/ ミラ専用スレ xien5 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1113977854/ 【カード】ミラ専用スレ【6枚目】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1129207973/ 【カード】ミラ専用スレ【7枚目】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6066/1137349570/ (したらば2) ミラ専用スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1147435881/l50 【カード】ミラ専用スレ【9枚目】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1162129917/l50 【カード】ミラ専用スレ【10枚目】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1170772254/-100 【女王様】ミラ専用スレ11【鞭打ち11発目】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1175522659/l50 【カード1ダース】ミラ専用スレ【TWクイーン】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1181172077/150 【女王様】ミラ専用スレ【鞭シバキ13発目】 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1185294278/l50 ミラ専用スレ 鞭14発目 前スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/30348/1191674946/l50 まっかなーちかーいー
https://w.atwiki.jp/xxxxzzzz/pages/59.html
598 名前: ゲームセンター名無し [sage] 投稿日: 2006/07/21(金) 05 29 03 ID /uxBfhPi ( ^ω^)「おっwおっwツンだお」 (; A`)「あークラスメイトの…」 ξ#゚⊿゚)ξ「ほら、早く配置につけなさいよ!」 対戦したくてなったわけじゃない…真っ赤なウソだ。 ツンはただクラスメイトと仲良くゲームがしたくて、 横入りにぎりぎりならない時間から店内を始めたのだった。 もちろん内心にはブーンへの淡い恋心があるのだがそれはまた別の話。 (´・ω・`)「ふむ、ドクオ君、彼女強いよ、ここはまず引き気味に…」 ツンは14州、マスターの心配を知らずドクオはさっぱり忠告を聞かない。 (# A`)「そんなことしらねー絶対勝ってやるさ」 ( ^ω^)「ブーンに勝ったドクオなら勝てるお!見せ付けてやるんだお!」 (´・ω・`)「ああ、そんなに適当に初期配置したら…ま、彼の自由なんだが…」 ξ#゚⊿゚)ξ(ブーンとできると思ってたのにー!誰よこいつー!) 各々の考えをよそに、そして戦いの鐘がなる…! デッキ ξ゚⊿゚)ξ:SR劉備 UC張飛 R姜維 Rホウ統 C張累 ( A`):R兀突骨 R田豊 C周倉 C金環三結 R于吉 SR張角 618 名前: ξ゚⊿゚)ξVS(’A`) [sage] 投稿日: 2006/07/21(金) 21 23 38 ID /uxBfhPi 開幕~地形は完全平地~ 開幕配置。 ツンは左手寄せの片攻め体勢、開幕から攻勢をかけていくポジションだ。 対するドクオはカードを舞台にバランスよく分散させた陣形を取っている。 ξ゚⊿゚)ξ「私のデッキが最大に生きるステージだわ…」 ( A`)「むー、なんというか、槍ばっかりだな。バランスわりぃんじゃね?」 ξ#゚⊿゚)ξ「う、うるさいのよ!見てなさい!このデッキの怖さを存分に味あわせてあげるんだから!」 621 名前: ξ゚⊿゚)ξVS(’A`) [sage] 投稿日: 2006/07/21(金) 21 30 31 ID /uxBfhPi 左側からシュッシュッと槍撃を間断なく振り回しながら少しずつ進軍してくるツン。 (´・ω・`)「あれだけ槍撃を扱えるとはなかなかの腕前だよ」 マスターも舌を巻くほどの槍撃の精度、まさにマシンガンである。 しかしドクオは不適に微笑む。 ( A`)「そこには」 ジャジャーン (´雨`)「ほっほぅ、だまされおって」 ( A`)「ジジイがいるのさ!…ってあれ?体力へってNeeeee!!!!!????」 伏兵を踏んだのはツンの先鋒、R姜維である。たいしたダメージも無くそのまま進軍を続けるツン。 ( ^ω^)「ブーンを苦しめたあのジジイが役に立ってないお!?」 (´・ω・`)「伏兵は知力差でダメージだからね、相手の知力が高いと効果が薄いんだ」 ( A`)「くっ…まずいぞ、いったん他の武将で援護を…!」 一枚のカードを于吉の援護をさせようと動かす。しかし、それは ξ#゚⊿゚)ξ「しょせん武力1の歩兵なんて…肉壁にもならないのよ!」 繰られるカードが神速ならば、放たれる槍撃もまた神速か。 槍撃!槍撃!槍撃! (#´雨`)「ほっほぅ、祟ってくれる」 ( A ) `「あんで ( ω ) ゜゜ すとー!?」 それは嵐、否、暴風となって襲い掛かる暴力に于吉は8秒も持たずに撤退。 622 名前: ξ゚⊿゚)ξVS(’A`) [sage] 投稿日: 2006/07/21(金) 21 37 10 ID /uxBfhPi (; A`)「なんだよこれ、バグかよ、やべぇぞ…?」 ξ゚⊿゚)ξ「これが技術よ!」 慌てて全隊をツンの片寄せに引き寄せた、が時既に遅し。すでに士気は溜まり、 兵法マスター!増援の法! ( ^o^)「叩き潰せ!」 兵法から大徳へつなぐツン。 (’A`)「くそっ!ジジイ、お前の隙無き攻勢で…!」 (´爺`)「攻撃あるのみじゃ!」 ξ゚⊿゚)ξ「武力+3なんか、障害にならいんだから!」 多少の抵抗では大徳のかかった蜀軍に勝てるはずも無く… (´黄`)「ぐおぉぉぉ」 (○ω○)「グフォ…」 (#`周´)「覚えてやがれ!」 ドクオ壊滅。無人の荒野に攻城の音が響く。 ( ^o^)「漢王朝は俺が復活させるぜ!」 哀れ開幕乙。 623 名前: ξ゚⊿゚)ξVS(’A`) [sage] 投稿日: 2006/07/21(金) 21 38 58 ID /uxBfhPi (; A`)「なんだよこいつ…圧倒的じゃねーか…」 (*^ω^)「ドクオが手も足も出なかったお!ツンカッコイイお!」 (´・ω・`)「いや、なかなかの腕前だね、お姉さん」 三者三様。特にドクオにいたっては圧倒的な差に悔しさすら沸かないらしい。 ξ*゚⊿゚)ξ「な、なによ!ほめたって何もでないんだからね!」 ちょうどこれで三人はカード排出で交代。カードを片付け、いったん下がる。 ξ゚⊿゚)ξ「二人とも後でデッキ一緒に考えてあげるから、待ってなさいよね!」 ( ^ω^)「わかったお!ツンも一緒にカードあけるおwww」 ( A`)「俺にもいろいろ教えてくれよ、負けっぱなしは嫌だからな」 ワイワイガヤガヤチンチンミテマンマンオッキオッキ… (´・ω・`)(みんな仲良くなってくれたようだ…いいようのない「ときめ(ry ほのぼのと見つめるマスター。 ( ^ω^)「お、ブーンのカード強そうだお!」 (’A`)「俺の今ひとつ弱そう…」 ξ゚⊿゚)ξ「私のダブりじゃない!強そうならブーンのカードとトレードしなさいよね!」 初心者にアドバイザーがついてしまったことにショボンは自分の出番がなくなってくるのではと少し心配に思ったのだった。 引いたカードは…アンカかな? 3人はそれぞれ ( ^ω^)鬼神関羽 (’A`)名君孫権 ξ゚⊿゚)ξ淳于瓊 をゲト 646 名前: ゲームセンター名無し [sage] 投稿日: 2006/07/21(金) 22 18 25 ID VVXj8Mqk (*^ω^)「なんか光ってるお。でもこのおっさんキメェwwwwwww」 (’A`)「お前また光ってるカードかよ……。俺のカードは……孫権?」 (´・ω・`)(やあ、ようこそ流星への一歩ry) ξ゚⊿゚)ξ「あーっもうっ! 淳于瓊なんていらないわよっ!」 ビリッ! (’A`)( ^ω^)「アッー!」 ξ゚⊿゚)ξ「何よ? もしかして欲しかったの?」 ( ^ω^)「そういう問題じゃないお! せっかく引いたカードを破るなんて可哀想だお!」 (´・ω・`)「カワイソス」 ξ゚⊿゚)ξ「こんなのたくさん持ってるからもういいのよ。なんならあんた達にも1のSRならただであげてもいいけど? あ、べ、別にあんたのことが好きだからってわけじゃないんだからね!?」」 鞄からカードケースを取り出すツン。その中には金色のカードがたくさん詰まっていた。 (’A`)「くれ!」 ( ^ω^)「ドクオ! 初心者なりのプライドって物はないのかお? 僕は自分で引いたカードだけでやっていくお」 ξ゚⊿゚)ξ(何よ……ブーンの奴、私がせっかく好意で言ってやってるって言うのに……!) (´・ω・`)(ブーン君も、ヤボだなぁ……) ( ^ω^)「ツンとは相容れそうにないお! 今度は僕と戦うお!」 ξ゚⊿゚)ξ「フン! 望むところよ!」 (´・ω・`)「でもちゃんと順番は守ってね」 ξ゚⊿゚)ξ( ^ω^)「はーい(だお)」
https://w.atwiki.jp/tsundereidayon/pages/128.html
雄子「で、どうか?シモジモは私に『萌え~』とか『泣ける!』と絶賛の嵐か?」 俺「…『ツンというよりS』『ツンと暴力は違う』『ただの恐い人』『趣旨を勘違いしてる』『後味悪い』と非難ゴウゴウですが」 雄子「馬鹿なッ!この愛くるしいツンで霊の私が!?」 俺「歴代ツンで霊の中でもブッちぎりの不人気です」 雄子「…ならば他の霊どもをどうにかするか、具体的に飼い犬から頃して」 俺「その殺伐さが嫌われる最因かと」 雄子「時代が悪いのだ!時代が未だ私に追い付いていないのだ!」 俺「いや、何億年待っても貴女がツンデレのスタンダードになる事はありえねース」 雄子「このままではおわらんぞー!」 俺「だから終わりですってば」 俺たちのツンデレはこれからだ! 第一部・完
https://w.atwiki.jp/25438/pages/2393.html
紬「ツンデレキャンセラーを開発したわ!」 律「はあ?」 紬「ツンデレはね、ツンとデレが交互に訪れる…つまり、『波』なの」 澪「…まぁ、言われてみればそうだな」 紬「波はね、その反対の位相の波を当てれば打ち消せるでしょう?」 律「ああ、そんなの物理でやったような…」 紬「だからツンデレも、その反対の波を当てれば打ち消せるの」 澪「ええと、ちょっとまてムギ。反対の波って…どういうことだ?」 紬「うふふ、細かいところはいいのよ~。実際にやってみましょう」ゴト 律「なんだこれ、ラジオみたいな?」 澪「そのツンデレ電波みたいなのを出すのか?」 紬「ええ。早速、やってみましょう」 律「やってみましょう…って、ああ、あれか」 澪「梓だな」 唯「あずにゃーん」ギュー 梓「ちょっと、いい加減にしてください!」 律「みごとにツン中だ」 紬「じゃぁ打ち消してみましょう♪」ポチッ 澪「…何も聞こえないけど、電波が出てるのか?」 紬「そうよ。ほら、見て」 唯「も~、いいじゃんあずにゃん」ギュー 梓「ふふ、いいですよ」ギュー 唯「うん!…あれ?」 梓「ほどほどにしてくださいね。私は唯先輩のこと好きですし、抱きつかれるのは嬉しいです。でもあまりいつも抱きつかれてばかりだと恥ずかしいですから」 唯「あ、あずにゃん…?えっと、えへへ、ありがとう」 律「…ほんとに効いてる!?」 紬「もう、信じてくれてなかったの?」 澪「い、いや…ここまでだなんて…というか、なんか落ち着いてるな、梓」 律「あの梓があんな恥ずかしいセリフを平然と言うなんて…さすがの唯も面食らってたな」 紬「今ツンもデレも打ち消しちゃったから、純粋な気持ちが素直に出てるのよ~」 澪「つまりあれが梓の本心…やっぱ唯に抱きつかれて満更でもなかったんだな。まぁ、バレバレだけど」 律「…ムギ、片方だけ打ち消したりできるのか?」 紬「ええ!ツンだけ打ち消す波を与えれば…」ポチッ 唯「あずにゃんがそんなに素直になってくれるなんて…私感動しちゃったよお」ギュー 梓「にゃ!?あぅ…唯先輩、もう……好きです」ギュ 律「おおー、デレた」 澪「じゃ、じゃあデレだけ打ち消したら?」 紬「…それ♪」ポチッ 唯「んもう恥ずかしがっちゃってえ、かわいいなあずにゃん…んちゅ~」 梓「やめてください!!」パシン! 唯「いひゃいっ!?」 梓「いい加減にしてください。どさくさに紛れてちゅーしようとしてくるとかありえません」 唯「あ、あずにゃん…?」ウルウル 澪「ああ…怒らせちゃったな」 律「純度100%のツンだな。ここ最近でもあんなのは見たことない」 紬「かわいそうなことしちゃったかしら…戻してあげなきゃ」 律「それ、増幅はできないのか?」 紬「ええ、できるわ。位相をずらしてツンデレの波と重ねれば強調されるの」 澪「じゃぁ…デレだけを増幅させるとか」 律「なんだ澪、楽しんでんじゃん」 澪「い、いやそんなことない!まぁ、仲良いにこしたことはないだろ」 紬「わかったわ澪ちゃん!じゃあ特大のデレ波を梓ちゃんのデレに合わせてみるね」ポチッ 唯「あ、あの…ごめんね…?」 梓「…すみません」 唯「え?」 梓「嘘をつきました。恥ずかしかったんです…本当は唯先輩に抱きつかれたい!ちゅーされたい!唯先輩にめちゃくちゃにされたいんです!!!」ギュ 唯「あずにゃん!?」 梓「もう、我慢できません…先輩…きて…」 唯「…うん…あずにゃん…行くよ」チュ 梓「ふあ…あ…ちゅ…」 唯「あず…ちゅ…ふぅ…」 梓「はあ、はあ…唯先輩…好きぃ…もっと…」 唯「あずにゃん…大好きだよ」ギュ 梓「にゃあ…あついです…とろけそうです…」 律「……すげえ」ポカーン* 澪「…み、見てられない…」チラッチラッ 紬「素晴らしいわ…」 律「これ、どうすんだ?なんかこのまますごいことになる気が」 澪「す、すごいこと…」チラッチラッ 紬「このままでいいんじゃないかしら…」 律「いいのかよ!?」 紬「増幅されているとはいえ、嘘ではないわ…だから、いいきっかけになるのかなと思って…うふふ…」 律「…ん~、まぁいいか…そのうちこの機械の電波の範囲から出れば解除されるだろ」 澪「この部屋から出る気配がないぞ…このまま…キャーッ!」 律「おい、何想像した澪…ま、帰ろうぜ」 紬「…えっと、カメラカメラ…」 律「やめい!ほら、二人とも帰るぞ!」ズルズル 紬「あ、まだカメラのセットが…!あーれー」ズルズル 澪「このあと二人は…このあと二人は…」ズルズル 唯「あずにゃん…いい?」 梓「はい…」 唯「あずにゃんのおっぱい…かわいいね…」チュ 梓「…ああっ…!」 唯「あずにゃん…すき…すき…」チュ 梓「はあ、はあ…きもち、いいです…!」 紬「…あ」 律「どうした?」 紬「出力最大にしてきちゃったから、そろそろ電池切れちゃうかも…」 律「え、あんなすごそうな機械なのにそこ電池かよ!?」 紬「…時間がないわ、唯ちゃん頑張って!」 律「いやいやそういう問題じゃ…」 澪「キャーッ!!」 律「だー、もう知らん!」 唯「…」 梓「…」 唯「えっと…どうしたの、あずにゃん?」 梓「………」 梓「……きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?????」ドサッ 唯「あずにゃーん!?」 おしまい! 戻る
https://w.atwiki.jp/tsundereidayon/pages/505.html
833 名前:本当にあった怖い名無し: sage 2006/09/12(火) 13 22 59 ID 3yFDOvUIO ツンデレ格付けについて詳しく 835 名前:本当にあった怖い名無し: sage 2006/09/12(火) 15 00 47 ID shk+vLl/0 ガ板のこれ↓のことかなぁ ネ申 海原雄山(美味しんぼ) 烈海王 S級 沢近愛理(スクラン) 高嶺姉貴 あんですとー 遠坂凛 翠星石 厳島貴子 キャスカ(ベルセルク) 鮎川まどか(オレンジロード) 八車文乃 A級 真紅様(ローゼンメイデン) 遠野秋葉様 コレット・ブラウゼ 青葉姉さん 惣流・アスカ・ラングレー(エヴァ) 姉小路冬華 綾瀬貴子(美鳥の日々) 青山素子(ラブひな) 井上律子 魔想志津香 リリィ・シアフィールド 新堂麗子 天道あかね(らんま) 七荻鏡花 秋庭里香 桐原冬子 小町つぐみ はるぴー 渡会ひびき(じゃじゃグル) 大庭詠美 カトレア リリーナ・ピースクラフト(ガンダムW) ナディア(不思議の海のナディア) B級 高遠七瀬 十波由真 松平瞳子 成瀬川なる(ラブひな) Evangeline.A.K.McDowell(ネギま) 三千院ナギ まこぴー 玖珂なつき ナツキ・クルーガー 津村斗貴子 倉木鈴菜 ランチ(ドラゴンボール) シルヴィア・ド・アリシア ルリルリ 七瀬留美 リュミスベルン ハーマイオニー 保科智子 佐倉霧 ラフィール 芝村舞 灼眼のシャナ(杓眼のシャナ) 音無響子(めぞん一刻) 小笠原祥子 田中美沙 18号(ドラゴンボール) 丸亀綾弥 世良香澄 新田妹(タッチ) テマリ C級 赤坂早紀 砕蜂(ブリーチ) アリソン 佐伯雪 桃子・A・ラインフォード 藤林杏 飯島美雪 鏡魅羅 フェティ 松屋美咲 シャイナさん(聖闘士星矢) 朝比奈涼風(涼風) ジノリ 矩継琴葉 涼宮ハルヒ 白瀬エリカ 和泉香(極上生徒会) 涼宮茜 カスミ(電ピカ) 水越眞子(ダ・カーポ) 春崎立夏 長谷川千雨(ネギま) チーコ 岳画殺 836 名前:本当にあった怖い名無し: sage 2006/09/12(火) 15 01 34 ID shk+vLl/0 D級 神楽坂明日菜(ネギま) せっちゃん 渋垣茉理 天幕桜子 白川渚 桜塚恋 笹森花梨 サクラ 千鳥かなめ パールバティー(サザンアイズ) トリエラ メノリ様 里村茜 潦景子 白木葉子 南さん 両儀式 ビーデル(ドラゴンボール) チチ(ドラゴンボール) 双海詩音 草薙素子 ソシエ・ハイム 戸倉真由 フォーリィ・キャラット 伊知川累(タルるーと?奇面組?) E級 リドリー・ティンバーレイク 柊かがみ マァム(ダイ) レオナ(ダイ) 沢渡いずみ(御主人様) クロミちゃん 十字架のニーナ リナ・インバース(スレイヤーズ) 柊美柚 篠原舞子 ランク外 月野うさぎ(セーラームーン) 芳乃さくら(ダ・カーポ) ブルマ(ドラゴン・ボール
https://w.atwiki.jp/teamtundere/pages/27.html
生き残るのは…誰だ!? お待たせしましたぁー♪ ツンデカップの詳細をお知らせいたしまーす。 ○ツンデカップとは… 日頃から持て余しているツンデレンジャー達の力を存分に発揮し、鍛錬を積むことを目的としているような、していないような要は、いかにマゾくいかに変態になれるかを競う競技なのである!! ■ ツンデカップ 2006 ├ 第一回 大会 ~愛・覚えてますか~ └ 第二回 大会 ~ピザよ永遠に~